“子どもの気持ち”特集その2 2009.2

  大人のルールは、子ども世界の住人たちとは共有が難しいようです。でも子どもには子どもの感じ方や時の流れがあって、その中で「わがまま」や「反抗」をたくさん経験したほうが、おもしろくて強い大人になれるのではないかと、わたしは思います。お母さんには悩みの種の子ども特有の扱い難さも、絵本にすると案外楽しめますよ。

「子どもの気持ち」を取り上げた、こちらの特集もご覧ください。
 ☆ 子どもの気持の号 
 ☆ お付合いってむずかしいね・・・友だち関係の巻
 ☆ ともだちって・・・?の号 
 ☆ ともだち100人できるかな特集 
 ☆ 今だけちょっと へそまがりさん!の号 

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やだ!

オールバラ  
徳間書店
¥1,470.(税込).
初版2007.4
横27.5cm×縦24cm
対象:1歳から

もう寝んねのじかんですよ!と言われて、喜ぶ子はいるでしょうか?やだ!と叫んで、水遊び続行。お友だちのカエル君やゾウ君もやって来て、ますます盛り上がる子ザルのジョジョですが、とうとう体力が尽きて、遊んでいる途中でコテンと眠ってしまいましたよ。「ぎゅっ」や「たかいたかい」のジョジョ君の三作目。眠くたって、遊びたいものは遊びたい。そんな気持ちを受け止めて欲しい小さい人たちにぴったりです。


ぼくも いれて

トーマス バートレット
山口文生

評論社 ¥1,365.(税込)
初版2004.4
横22cm×縦28cm
対象3歳から

 キャスパーとスージーは大のなかよしでした。ままごとや病院ごっこ、お店屋さんごっこで遊ぶ楽しい時間。でも、ミリーがやってくると、途端にキャスパーだけが仲間はずれになってしまいます。ある時公園で知らない友だちの遊びに入れてもらったキャスパーは、大勢で遊ぶってこんなに楽しいんだ・・・ということを知ります。それで早速スージーとミリーに、「ぼくも いれて」と頼んで見ましたが、「あんたなんか いれて あげない!」と言われてしまって大ショック。
 仲良しを独り占めしたい気持ちも、みんなで一緒にあそぶのが楽しいという体験も、子どもにとって本当のことでしょう。「正しい答え」を押し付けるのでなく、双方の気持ちを認めつつ、けんかしたり仲直りして行く大切な時間を描いた絵本です。ちいさいひとたちにもお勧めですが、ママ仲間で一緒に読んでもらえるといいと思います。


 



11ぴきのねこ 
ふくろのなか

馬場のぼる 文・絵
こぐま社 ¥1,260.(.税込).
初版1982.12
横18.5cm×縦26cm
対象:3歳から

 11ぴきのねこたちがピクニックに出かけました。「花をとるな」と書かれたお花畑で花を取り、「渡るな」と書かれた危ないつり橋を渡り、「登るな」と書かれた木の上でお弁当。とっても悪い11ぴきたちです。ところが、「入るな」と書かれた袋を見つけてさっそく潜り込んだ11ぴきは、ばけもののウヒアハにつかまってしまい・・・。おなじみ11ぴきのねこシリーズの中でも、最も子どもの気持ちにぴったりだと思えるこのお話。入るなと言われて、入ずにいられる子どもなんているでしょうか!・・・いえ、今は十分に大人のあなたの心の中にだって・・・?



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