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ピコット便り Vol.129  かき くり きのこ・秋の号

                                             2000.秋

 

自分の仕事には、誰しも愛着を持つものでしょう。子どもの本屋である私が思うのは、「絵本ってすごいなあ・・・」という事です。 すごいなあ、の第一に挙げたいのは、「何十年も読み継がれている絵本が多い・・・」と言う事です。

時代の流れはこの所特に早くて、生活様式も言葉やマナーもどんどん変わっています。 一時期は非難の対象だった茶髪やピアスも、今では若者に限らず楽しまれています。街を歩きながらの携帯電話mp、初めは見ているこちらが気恥ずかしかったものですが、マナーさえ守っていればよしとしようと思えるようになってきました。 「すいません」や「○○なんで・・・」といった言い方も、すでに若者特有の言い方でなく、今では若いお父さんお母さんの中でも使われてます。 「○○ですから・・・」が古風に思われる時も来るかも知れませんこんな変化が、ここ数年の間のことです。

 一方で絵本。赤ちゃんを連れた若いご両親が初めて来店された時、「この本、小さい時に読んでもらったよ。」「あら、わたしこの本大好きだった!懐かしい。」と、“ぐりとぐら”や“花さき山”との感激の再会がよくあります。
古典が読まれなくなったと言われる中で、子どもの本だけはロングセラーが人気です。“いないいないばあ”が30代。“おおきなかぶ”や前述の“ぐりとぐら”40歳に近く、翻訳ものでは”ひとまねこざる”は50代。 おいしいホットケーキを焼く“こぐまちゃん”たちも今年30歳だそうです。これら読み継がれてきた絵本たちに共通するのは、作品としての優秀さに加えて、今読んでも「新鮮」な何かがある事です。

 もちろん、優れた作品の中にも役目を終えて消えて行ったものもあるのでしょうが、出版界の荒波の中、財布を持たない読者を対象としながら、選ばれ読み継がれている作品の多い絵本たちを、すごい!と思い、そんな絵本を相手に働く事の出来る幸せを感じます。