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ピコット便り Vol.145 水しぶきの号 2005.夏 |
読書感想文の宿題が子どもたちの、ではなくお母さん方の頭を悩ます夏休みがやって来ます。低学年の子どもたちに「感想文」の宿題が出た場合、とうてい自分で書ける年齢ではありませんから、これはもう大人が助太刀するしかありません。子ども時代に「感想文を書かされた」つらい思い出を持つお母さんも、否応なくこの課題に向かわされ、過去の痛みを忘れて我が子を責めてしまった、なんていう笑えないケースもお聞きします。本屋としては、感想文で無理をさせて、子どもと本の関係を引き裂かないで、というのが切実な願いです。何より、子どもと本にはずっと仲良しで居てもらわなければなりません。
読んだ後は、大人がいくつか質問を用意します。「○○の場面で主人公はこうしたけれど、あなただったらどうするかな?」のように、出来るだけ具体的にするのがコツ。答えはそれぞれ別の紙に書き、「お話を知らない人にもわかるよう」考えながら並べ替えて、もういちど文章を整え、清書。大人でも文章を書く時に、頭の中でこのような作業をしているはずです。 この方法であまりに上手に書き上がり、「親が書いたに違いない」と疑われて読書コンクールに出してもらえなかった子もいます。低学年の子の感想文はインタビュー次第と言えるかもしれませんね。評価はともかくとして、自分の思いを書いて伝える表現力があるのは素敵なことです。ただし感想は個人の心そのもの。公表を前提として書くことを強要するのはどうかとも思いますが。 そうそう、お母さんに代理で書いてもらった人、「あとがき」だけ読んででっち上げた人も知ってますよ。でも、みなさん立派に成人されています!だから、提出用の感想文が書けなくたって、本と仲良しなら大丈夫。 |