店頭で配布の宣伝紙、「ピコットだより」に載せている、店主のコメントです。
画面で読んでいただくのには不向きな長文ですが、興味とお時間のある方は、ダウンロードして後でゆっくりとどうぞ…。

バックナンバー

Vol.151

Vol.150

Vol.149

Vol.148

Vol.147

Vol.146

Vol.145

Vol.144

Vol.143

Vol.142

Vol.141

Vol.140

Vol.139

Vol.138

Vol.137

Vol.136

Vol.135

Vol.134

Vol.133

Vol.132

Vol.131

Vol.130

Vol.129

Vol.128

Vol.126

Vol.125

Vol.124

 


ピコット便り Vol.151  光さんさんの号

                                            2007 夏

 

 オープン以来定番で置いている絵本の中に、「もこもこもこ」があります。今でこそ普通にお勧めしても驚かれませんが、この絵本、最初の頃は戸惑われるお客様も多かったです。「あの−、この絵本ってどう説明してあげたらいいんでしょうか・・・?」と。この作品は、「もこ もこもこ にょきっ 」といった擬音と、抽象的な絵で展開する、「イメージ絵本」。お話に絵が付いたのが絵本という概念からすれば、確かに???という気分になる方もあるでしょう。でも子どもたちには大好評。赤ちゃんも幼児さんも、ただただ心を奪われたように、画面に見入ってくれます。

「絵本は感性に働きかける」という言葉を、ずいぶん前に何かで読んだ覚えがありますが、「もこもこもこ」は、まさに見る者の感性を直接ゆさぶり、また、幼い感性ほど、その絵とことばに、豊かに反応してくれることを証明して見せてくれます。
「もこもこもこ」の初版は1977。その頃から、作者の谷川さんは、絵本でいろいろと新しい試みをされましたがその中でもこの作品は、まさに"衝撃のデビュー"でした。その後、絵本作家たちによって絵本のさまざまな表現方法が試され、「イメージ絵本」系もたくさん生み出されましたから、そういう絵本を読んで育った方が子育て世代となった現在は、「もこもこもこ」も、抵抗なく楽しんでいただけるようになった訳です。

新しい試み、ビジュアルな絵本と言っても、ただ奇をてらったものは子どもたちに受け入れられません。新しい中にも、しっかりとした構成と、どの時代にもどんな年代にも伝わる普遍性なしには、「もこもこもこ」のような作品は生まれないことでしょう。その意味で、今ピコットが注目している作家は、100%オレンジのお二人と荒井良二さんです。30年後にも売り続けられる作品をよろしく!でも、そのころピコットはどうなっているのでしょうねぇ・・・。