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2002.早春
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21世紀へのメッセージというテーマでコメントを求められた時私の頭に浮かんだのは、 人間が地球の主人公、経済効率重視、何より便利な暮らし・・・というふうに、人類は走り続けて来ました。けれども、物や便利を買うことで(プラスティックから核廃棄物までの)ゴミは地球にあふれ、自然を切り開いて生態系も傷めてしまいました。そこまでしても、人はお金で幸せになれるとは限らないのです。(勿論無いと困るけれど!) これまでの価値観を離れ、自分は何に本当の幸せを感じるか、その実現のために何を選びどんな不自由を引きうけるか、といった、価値観を築き直す作業を、他でもない自分自身がしなくてはいけないのだと、改めて思ったのでした。 でも、だからといって買わなければ良いのかといえば、それもまた違ように思います。例えば、無農薬野菜は農薬と化学肥料で作られた野菜より高くなります。価格が高いからと誰も買わなければ作る農家もなくなり、欲しいと思った時に手に入れる事が出来なくなるでしょう。 本の世界も同じです。本が売れる事で作家は著作活動を続けられるし、出版社も存続します。質の良い本に巡り会いたいと思う読書人に、"おもしろい"と感じた本を買って頂くことで、出版業界は支えられてるのです。 物も情報も、欲しいと思ったらいつでも手に入るという訳ではなく、わたしたちは支払うことで、その供給をも支えているのですね。今だけの便利のためでなく、本当に必要なものを育てるためにお金を支払えるようでありたい。そう思いませんか?心を動かされる本に出会ったら、買うことでその本の存続を、どうぞ支えてください!というのが本屋としてのお願いです。思わず力の入ってしまう、今回のテーマでした。
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