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ピコット便り Vol.130  手ぶくろほかほか・冬の号

                                            2001.冬

 

 読み聞かせ、とか読んで上げるとかいった言い方をしますが、子どもと一緒に本を 読 む時、読み手が貰うものも大きいと思います。小さい子は字が読めないから、読んで 貰うしかないというのも確かです。が、その一方で、彼らは言葉から豊かに想像する 力を持ち、誰かと一緒にお話を共感し合いたいとも思っています。そんな感性が、時に読んでいる大人の感じ方をもゆすぶります。 そうか、この本ってこんなに面白いんだ…と、一緒に読んでいて改めて感激した経 験 が、きっと皆さんもおありでしょう。
 

 自分で読めないから仕方なく、や、自分で読むより楽ちん、でではない。一緒に読 むって本当に楽しいね!という思いが聞き手から伝わってくるのも、読み手には嬉し いことです。

 大人以上に本を楽しめると言っていい「字が読めない年齢」の子どもは、では、自分 で本を選べるのでしょうか?皆さんのお宅ではどなたが絵本を選ばれますか?全てを 子どもに任せるのは無理があるかも知れませんが、店頭で見ている限りでは、読めな くても、ちょっとした手助けがあれば、自分に合った本を上手に選べる子は多いよう に感じます。大人にはとんでもないと思える選択にもその子なりの理由はあり、問題 なのは、なぜその本が気に入ったのかを説明するだけの力が、残念ながら子ども自身 にないことです。で、しがみついたり泣き叫んだり、の実力行使に出る子も中にはあ りますが、こういう状況を、「子どもに選ばせて失敗だった」とは私は思いません。
 

 そんな時、この本が好きなの?どうして?と子どもの気持に寄り添ってみたら、私 た ちもその本の楽しさを知ることが出来るかもしれません。