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ピコット便り Vol.150 風かおるの号 2007 春
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童書が専門の当店、お店に並ぶのは子どもの本ですが、お取り寄せはどんなジャンルもOKです。お子様の買い物ついでに、ご家族用の書籍やCDなどご注文頂くことも多いのですが、今は取次とオンラインしていますから、その場で在庫状況の確認と発注が出来て便利です。 ご注文いただくと、早くて3日目、遅い場合は10日ほどで「入荷しました」とのご連絡を差し上げます。注文したからには早く読みたいのに、なぜ入荷までの日数がまちまちなの?と、不思議に思われるかもしれませんね。お店に届くまでの所用日数は、在庫がどこにあるかによります。取次にあれば早いのですが、版元在庫を取り寄せる場合、出版社が受注から何日で出荷するか、それを取次がどのように処理するかによって、入荷までの日数に差が出来てしまうのです。ご注文の際、いちばん早く入荷する在庫を見付けるのも、本屋の"腕"ということになります。 さらに、新刊の予約を頂いた場合。通常は、予約すれば出版社は発売と同時に出荷してくれますが、中には、予約不可であったり、発売時に全部配本してしまい、手許には在庫を残さない、といった出版社もあります。本屋としては、お約束の書籍は何としても確保せねばなりません。この場合も又いくつかの"奥の手"を駆使することになります。本屋って、ほとんど千手観音です。(^^) たくさん作られ流通している子どもの本についても、お客様にとっては、「ほしいときに、いつでも手に入る」のが理想。ところが出版業界も競争社会、広告を打ち、大手書店にドンと積み上げて話題性で売るような、「販売のテクニック」で生き抜いていこうとする出版社も、最近は多くなって来ています。前述の"新刊"の扱い等も、おそらくそれが理由なのでしょう。一方で児童書の出版社には、ほとんどが中小の規模ながら、流行に左右されずロングセラーを大切に売り続け、勿論新刊既刊に関わらず、必要な方に届くよう努めて来た実績があります。 ピコットも、在庫のうちロングセラーがざっと6割。一般の書店さんに比べて、商品構成の変化があまりないとも言えます。流行に左右されず、読み継がれた子どもの本を探しに来て下さるお客様のお陰で、こんな地味な商品構成でもやって来られたのだと、改めて感謝し、本当に選び抜かれた作品を子どもたちにお届けしたいと思っています。今回は、「本の流通」という、ちょっと固いテーマでした。
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